恵方巻き煽り合いバトル
恵方巻きは無言で食べなければならない。
食べている時に喋ってしまうと、福が逃げてしまうという謂れ(いわれ)がある。
今日は節分。
そこに弟が帰ってきた。(僕には弟がいる)
それはつまり、”戦い”の幕開けを意味した。
弟「ただいまー」
僕「・・・・・」
弟「あっっっっっれぇぇぇぇぇええええええええ?????ただいまって言ってるのに無視ですかぁぁぁぁぁぁぁぁああああ??????」
僕「・・・・・」
弟「ただいまって言ったら、お帰りっていうのがマナーってもんでしょぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおお????????」
僕「・・・・・」
僕は無言を貫き通す。
挑発に乗ったら負けだ。
僕は南南東にあるテレビを見ながら、黙々と食べ続ける。
テレビではナスDが無人島生活をしている。
ナスDほんと異次元超人。タコを生きたままかじるな。
そうこうしている間に僕は一言も喋らずに、恵方巻きを食べ終えることができた。
ディフェンスは完全勝利に終わった。
そして弟が恵方巻きを食べ始めた。
ここからは僕のオフェンスである。
僕「あっれれれれれれぇぇぇぇぇぇぇぇぇ????なんでカーテンに向かって恵方巻きたべてるのぉぉぉぉぉぉぉぉぉ???????」
弟「・・・・・」
僕「てかそっち南ですけどおぉぉぉぉぉぉおおおおおお???」
弟「・・・・・」
僕「恵方は南南東だよぉぉぉぉぉおおおお???あと30度くらい東側だよぉぉぉぉぉおおおおおおおおお??????」
弟「・・・・・」
僕「ほら!!テレビでナスDがモリ突きしてるよ!!!!ナスDやべぇ!!!!テレビみないの!??!?!?!何カーテンとにらめっこしてるの!!??ついに気が狂ったか??!?!!?!?!?!」
弟「・・・・・」
弟が恵方巻きを食べ終えた。
チッ。切り崩せなかったか。
というわけで”恵方巻き煽り合いバトル”は、今年もお互いドローで幕を下ろした。
ちなみに父は恵方巻きを食べながら、テレビを観て勝手に吹いていた。
自滅。