モッモ太郎 -堕天録- ④
(過去の堕天録はこちら)
號魔卿-モッモ太郎-はおばあさんに襲い掛かる。
出鱈目な打撃攻撃でおばあさんを滅多打ちにする。
どうやら自我を失っているようだ。
おばあさんは意識のない攻に怯むほど柔ではない。
おばあさんは精神を13次元空間と同化させ、身体を気体と化す。
永魂奥義第7唱-亜空の幻(エヴァイ・ファントム)-だ。
空間に溶け込んだおばあさん。
モッモ太郎は空を撃ち続ける。
おばあさんはおじいさんの背後に忍び寄り、頸に梓鍼-レヌイム-を打ち込ーーー
めないッ!!!
おじいさんの頚椎から”ナニか”が飛び出すッッ!!!
ーーー”不逝(イヌ)”。
4000年以上前。西暦の世で記されたとされる、幻獣の書「絶後伝」に描かれた、伝説上の幻魔。
不逝は決して死ぬことはない、餓狼の化身。
おばあさんは、一時距離を取る。
不逝は、死なない。即ち、屠ることは不可能。
かつ、不逝は絶望的なまでの凶暴性、残虐性を兼ね備える。
第一終末を迎えた原因の一つは、この不逝であると言い伝えられている。
不逝は60億の人間を喰らい尽くし、其れでも尚、腹は膨れぬ。
おばあさんに迫る不逝は、涎をボタボタと垂らしていた。
(この物語は死なない)
↑ 6/30(土)に、「モッモ太郎」というロボットでヘボコン2018に出場します