じきるう曜日

CRAZY STUDYとかWorkship MAGAZINEの編集長。はてなブログでは特に推敲せずフリーダムに文章を書き散らす。舌死人。

モッモ太郎 -堕天録- ⑥

(過去の堕天録はこちら

 

 

おばあさんは昏倒する。

味方とは何だ。

敵とは如何なるものか。

意識が薄れていく中、去流(サル)は安らかな笑顔をこちらに向けていたーーー。

 

〜〜〜

 

気がつくと、おばあさんは永遠に続く暗黒の中にいた。

刹那、おばあさんは気付く。

ここは13次元空間ではない。

次元をまた、上げられてしまった。

31次元空間だ。

 

螺旋状に混沌とするその空間は、もはや空間とも呼べないナニかが蠢いている。

次元は生命を持つ。

蟲蟲が累々と身体に這うような悍ましさを感じながら、おばあさんは立ち上がる。

 

そこでおばあさんは、自身に対して疑念を浮かべた。

「はて。我は、此れほどに毛深かっただろうか」

 

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鬼血(キジ)。

那由多ほどの絶望を味わった者がたどり着くとされる、破滅の境地。

餓鬼道に与し、修羅を極めた極烈の存在。

鬼血の骨を一欠片飲めば、全宇宙を滅ぼす力が得られると言われる。

そして同時に、原初宇宙(プリミティヴ・バース)を創造する業を齎す。

 

「「此れで漸く揃ったようじゃの」」

 

振り返ると、不逝(イヌ)と去流(サル)の精神体が其処に佇んでいた。

 

不逝、去流、鬼血。

そして抜け殻となった號魔卿-モッモ太郎-。

 

……!!

これはまさか……!!

そんな……嘘だろう……。

こんな結末が待っているなんて……ッ!!!

 

〜〜〜

 

おばあさんはモッモ太郎の精神に取り込まれる。

不逝、去流、鬼血もモッモ太郎と融合する。

おじいさんはモッモ太郎と同化済。

 

そう。

ここに生まれたのだ。

新たなる始まり、”第零世界-オプトメディチ-”が。

 

 

(第零部 完)

 

 

 

モモ (岩波少年文庫(127))

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