真冬のワイルド戦士、半袖短パン小僧
2月。
一年で最も寒くなる月である。
僕は厚手のコートにもふもふマフラー、マスク、ニット帽、耳当てといったフル装備で今日も外出している。
耳当てまで装備する人ってあんまりいないと思うけど、耳当てって最強よ?
氷耐性(氷タイプ攻撃半減/天候「雪」時のHPゲージ減少無効)に加え、音耐性(超音波・爆音・官能ボイス攻撃無効)まで備えてるからね?
みんな絶対、耳当てを装備すべきよ。
耳装備なしが流行りとか、そーゆーのいいから。
まあそんなかんじで、僕はフル装備で外出していたのだが・・・。
目の前に突如、そいつは現れた。
このクソ寒い中、タンクトップに短パン姿で元気に往来を闊歩する、小学生男児が。
え、何?
なんで真冬に、タンクトップと短パンしか着てないの?
縛りプレイでもしてるの?
『【縛りプレイ】初期装備のみで小学校6年間クリア【part.4】』の最中なの?
彼はなぜ、タンクトップ姿で平気なのだろうか。
皮膚の氷耐性ステータスを極限まで高めた結果なのだろうか。
しかし、これだけはわかる。
彼は間違いなく、強い。
僕は、自分が恥ずかしくなった。
フル装備でないと外出できない、僕の弱さが恥ずかしい。
身体的な弱さではない。
ガチガチの鎧をまとわないと寒さに耐えられない、その心の弱さが恥ずかしい。
僕も彼を見習おう。
鎧を身にまとわずとも生きていける、心の強さを持とう。
そうして僕は衣服を脱ぎ捨て、生まれたままの姿で街をあるいた。
気がつくと、僕はパトカーに乗っていた。
「半袖短パン」「デュクシ」など、懐かしの小学生あるあるネタ プラズマ乳酸菌『SPECIAL STUDENT』動画